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吹き漆の仕方について

吹き漆は初心者には一番楽しいし、漆の応用の基本である。

簡単には、木に漆を塗りつけて吹き上げることであるが、
木は、ケヤキなどが一番塗りやすくてきれい。杉や柔らかい木は吸い込むので大変である。固くて目が細かい木で乾燥している木それが一番。すべてやってみるとだいたいわかってくるので面白い。
漆は、主に、生漆か透箔下を使う。生漆は、塗ると真っ黒になるので、真っ黒の仕上がりでよい時は使う。
透箔下は、少し薄茶になるが、透明的に仕上がる。ウレタンやニス・クリアーと同じである。だいたい、黒になるのを避けたいときは、透き箔下を使う。

また、杉などの吸い込みがきつい時は、テレピンで薄めた透箔下や柿渋で吸い込ませて(何度もする時もある)乾かしてから塗り始める。

綿の布や吹き漆用の紙・ヘラを使って全体を塗り、その後、綿の布や吹き漆用の紙で吹き上げて室に入れる。室の温度は70%以上で早く乾かす。
吹き上げの時に、紙が破れたり、ほこりがつかないように吹き上げる。また、ムラがないように吹き上げる。ムラがあるとそこが黒くなったり茶色になったりする。95%ほど拭き取るつもりで吹き上げる。

それを何回も繰り返す。繰り返せば繰り返すほど良い色になってくる。

失敗した時は、ペーパー600から1500までを症状に合わせて使う。できるだけ,粗い物から1000以上の順で行う。また、ペーパーでこする時は、必ず木の目に沿ってこするこれが大切。傷はなかなか直らない。

この吹き漆の技法は、胴刷りやロイロ、他すべてに役に立ちます。
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カサセン工房の漆の種類

漆塗りを楽しくするには
吹き漆の技法とロイロ漆のマスタ-と胴刷りをマスターすることです。
これらの技術をマスターしたので漆塗りが楽しくなりました。
また、漆の種類をそろえ、用途に合わせて使うともっと便利です。
  そこで、これらを紹介します。

まず、今の段階でカサセン工房にある漆関係の種類は、
   柿渋(匂いがあまりしないの)・極上生漆・上下地漆・木工用コトブキコクソール(修理パテ用)・下地2号(カシュー修理パテ用・これは漆には便利)・上黒中塗漆遅口・上透中塗漆・上練弁柄赤中塗漆・上塗立漆(蒔花)・上透箔下漆・上7分消し透箔下漆・上黒箔下漆・上7分消黒箔下漆・練朱本朱上朱合・練朱赤口上朱合・上黒ロイロ漆・上赤ロイロ漆、他、蒔絵用練黄色・青・緑・白等、今のところこれくらいの種類を用途に合わせて使っています。
 
その中でも特に重宝なのは、極上生漆、上透箔下、上黒箔下です。これは、吹き漆、胴刷り、ロイロに重宝します。また、金箔貼りの個所は、箔下を使います。

  これらは、全て、用途に合わせて揃えていくしかありませんので、漆をやる人はゆっくりゆっくり揃えていくしかありません。だいたい、370グラムが8500円しますので。特に上塗り関係の漆は全て高いです。但し、漆は保存がききますので、なくなったら仕入れていくのが良くて、あんまりたくさん買う必要はないので、私は、いつも買うときは740グラム(200匁)ほど買っています。総漆在庫額は15万円ほどだと思います。

漆は確かに面白く無限だ。

漆は確かに面白い。

様々に発展できるし失敗もカバーできて工夫は無限。
やはり、胴刷りとロイロの艶出しと吹き漆ができるようになったことで
仕上げが美しくなりなんでもできるようになった。
人工塗料は、艶出しは、ウレタンかクリアーの人工塗料、ニスしかない。
それも、上塗りの上にそのまま吹き付けで厚く塗るだけなので、光りが粗く、本当の光沢はない。
見た目は素人の人は美しく見えるが。
また、10年以上するとはがれ始めて白くなってくる。20年以上たつと
ぼろぼろになってくるが、漆は上塗りに吸い付くように塗ってあるので
磨けば磨くほど光沢を増し、且つ、20年以上たっても、下地さえしっかりしていれば
吹き漆で磨けばすぐに復活できる。
ただ問題は、すべての色が、薄い樹液の色(薄茶的な色)が入るので
どうしても人工塗料的な美しい色が出ないので、これから色のさらなる研究をしなくてはいけない。
また、金や銀などを使った芸術的な作品の創造と完全な漆の美しさの追及を求めなくてはいけない。

今更ながら私的なことで分かったこと

大笑いですが、私的なことですが、今更ながら気づいたことがあるのですそれは、笠原善光堂を続けるには、奥さんに健康で長生きしてもらわなくてはいけないということです
なにせ工房は、二階にあり、狭く急な階段を上がらなくてなならず、
一人で200代の台輪など運べないのです。また、お洗濯は、
裏の狭いところでやるしかないので、一人では洗えないのです。
一人苛性ソーダで洗って、一人離れて水で洗わないとできないので
その場所が、200代の仏壇では一人では作業は遅れるし、水は上手く当てられないので
もうこれは、二人は絶対いるのです。昨年は、小さい仏壇ばかりで気づかなかったのですが
今年から200代の大きな仏壇の修理が入って来たので、漆塗っていてお客さんが来ても
出られないし、まあ一人では出来ないことが判明したのです。
奥さんは9月2日に人間ドックに行って何ともなかったので今年はよかったのですが
これから大変です。70までやるには、奥さんも70まで生きてもらわないとできないのです。
一人でもやるとうそぶいていたのに、もう奥さんさまさまとは。
これから、奥さんにも給料をやらないとあかんし。こりゃほんとに頑張らなくてはいけない。
厳しさが沁みてきますわ。漆の道も険しいわい、とつくづく思う今日この頃です。
でも、漆は上手くなった。ありがたい。
_奥さん

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