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カサセン工房の漆の種類

漆塗りを楽しくするには
吹き漆の技法とロイロ漆のマスタ-と胴刷りをマスターすることです。
これらの技術をマスターしたので漆塗りが楽しくなりました。
また、漆の種類をそろえ、用途に合わせて使うともっと便利です。
  そこで、これらを紹介します。

まず、今の段階でカサセン工房にある漆関係の種類は、
   柿渋(匂いがあまりしないの)・極上生漆・上下地漆・木工用コトブキコクソール(修理パテ用)・下地2号(カシュー修理パテ用・これは漆には便利)・上黒中塗漆遅口・上透中塗漆・上練弁柄赤中塗漆・上塗立漆(蒔花)・上透箔下漆・上7分消し透箔下漆・上黒箔下漆・上7分消黒箔下漆・練朱本朱上朱合・練朱赤口上朱合・上黒ロイロ漆・上赤ロイロ漆、他、蒔絵用練黄色・青・緑・白等、今のところこれくらいの種類を用途に合わせて使っています。
 
その中でも特に重宝なのは、極上生漆、上透箔下、上黒箔下です。これは、吹き漆、胴刷り、ロイロに重宝します。また、金箔貼りの個所は、箔下を使います。

  これらは、全て、用途に合わせて揃えていくしかありませんので、漆をやる人はゆっくりゆっくり揃えていくしかありません。だいたい、370グラムが8500円しますので。特に上塗り関係の漆は全て高いです。但し、漆は保存がききますので、なくなったら仕入れていくのが良くて、あんまりたくさん買う必要はないので、私は、いつも買うときは740グラム(200匁)ほど買っています。総漆在庫額は15万円ほどだと思います。

漆は確かに面白く無限だ。

漆は確かに面白い。

様々に発展できるし失敗もカバーできて工夫は無限。
やはり、胴刷りとロイロの艶出しと吹き漆ができるようになったことで
仕上げが美しくなりなんでもできるようになった。
人工塗料は、艶出しは、ウレタンかクリアーの人工塗料、ニスしかない。
それも、上塗りの上にそのまま吹き付けで厚く塗るだけなので、光りが粗く、本当の光沢はない。
見た目は素人の人は美しく見えるが。
また、10年以上するとはがれ始めて白くなってくる。20年以上たつと
ぼろぼろになってくるが、漆は上塗りに吸い付くように塗ってあるので
磨けば磨くほど光沢を増し、且つ、20年以上たっても、下地さえしっかりしていれば
吹き漆で磨けばすぐに復活できる。
ただ問題は、すべての色が、薄い樹液の色(薄茶的な色)が入るので
どうしても人工塗料的な美しい色が出ないので、これから色のさらなる研究をしなくてはいけない。
また、金や銀などを使った芸術的な作品の創造と完全な漆の美しさの追及を求めなくてはいけない。

今更ながら私的なことで分かったこと

大笑いですが、私的なことですが、今更ながら気づいたことがあるのですそれは、笠原善光堂を続けるには、奥さんに健康で長生きしてもらわなくてはいけないということです
なにせ工房は、二階にあり、狭く急な階段を上がらなくてなならず、
一人で200代の台輪など運べないのです。また、お洗濯は、
裏の狭いところでやるしかないので、一人では洗えないのです。
一人苛性ソーダで洗って、一人離れて水で洗わないとできないので
その場所が、200代の仏壇では一人では作業は遅れるし、水は上手く当てられないので
もうこれは、二人は絶対いるのです。昨年は、小さい仏壇ばかりで気づかなかったのですが
今年から200代の大きな仏壇の修理が入って来たので、漆塗っていてお客さんが来ても
出られないし、まあ一人では出来ないことが判明したのです。
奥さんは9月2日に人間ドックに行って何ともなかったので今年はよかったのですが
これから大変です。70までやるには、奥さんも70まで生きてもらわないとできないのです。
一人でもやるとうそぶいていたのに、もう奥さんさまさまとは。
これから、奥さんにも給料をやらないとあかんし。こりゃほんとに頑張らなくてはいけない。
厳しさが沁みてきますわ。漆の道も険しいわい、とつくづく思う今日この頃です。
でも、漆は上手くなった。ありがたい。
_奥さん

お盆に納めた総漆塗り替えの三国仏壇

やっと、百年前の、文化財の如き三国壇のお仏壇の修復が完成しました。2ヶ月半、詩は手につかないまま、暑い中ひたすら納期に追われて没頭しました。やっぱりどの仕事も辛い
お仏壇は、全て手塗りの総漆仕上げ、昔そのままに復元し、それなりに満足のいく、素晴らしいものに仕上がりました。でも、我ながらよく頑張ってはいますが、まだまだ修行しなくてはいけないと痛切に今回も思いました。もっともっと美しく塗れて、金箔も完全に貼れるようになりたい。そして来年の今頃には、実質的には、伝統工芸士以上の技術を身に付けたい。目標は大きいのですが、仕事はやはり相当に疲れますね。それと、詩や9条のことができないのが辛い。僕は、一つのことに集中すると他ができなくなるので駄目なのです。

W1024Q75_扉蒔絵
W1024Q75_空殿
W1024Q75_仏様
W1024Q75_横から見たお仏壇
W1024Q75_正面から見た仏壇・下台輪・チリ蓋なし

、やっとロイロ研ぎ、胴刷り、吹き漆の完成版、漆の金箔貼りをマスターしました。

毎日、漆塗りの修行を続け、やっとロイロ研ぎ、胴刷り、
吹き漆の完成版、漆の金箔貼りをマスターしました

これでもう、どこにも助けてもらわずに、笠原善光堂だけで、
漆塗りの全行程をすることができるようになりました。ありがたいことです。本当に感謝。
後は、蒔絵、金紛だめ等のマスターになってきます。
これも、時間の問題だと思います。
とにかく、お客様に漆塗りの本物を安く提供、それだけにこだわり
やっていることが良いのだと思います。だからお客様も信用してくださり
漆塗りの仕事が入ってくるので、練習ができるのです。
とにかく失敗作品は許されないので、そのプレッシャーが、効率的な漆修行になり、
上達を促しているのだと思います。
本当にお客様に感謝です。ありがたいことに、12月まで、修理・塗り直しの注文が入っています。
この不況下、本当にありがたいことだと思っています

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